IRON MAIDENの新譜『Senjutu』。今更ながら感想に加えて、恨み節など。

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IRON MAIDENである。
中学生の時に彼らのファーストアルバム「IRON MAIDEN」収録の冒頭曲「Prowler」のイントロリフにノックアウトされてからのファンです。

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一番彼らの作品に興味を持っていたのはいつのころかな?
「POWERSLAVE」から「LIVE AFTER DEATH」あたりまでが自分にとってのピークで、その後「FEAR OF THE DARK」まではメイデン熱が持続するのですが、そのあとはあまり興味を掻き立てられず。
いや、決して彼らのプロダクトの質が落ちたわけではないのです。
と、今となっては感じるのですが、リアルタイムではなぜか心が離れていったのですね。

恐らく、ヴォーカルがブレイズ・ベイリーに変わったことも一因であったと思われます。
ま、ブルース・ディッキンソンが復活してもアルバムを買うことは少なかったのですが。


そんなIRON MAIDENですが、コンサートにはどの程度足を運んでいたのでしょうか?

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初めて行ったのは確か代々木オリンピックプールで開催された「FEAR OF THE DARK」に伴うツアーだったと記憶しています。たしか92年だったかな?
なんせこの時は仕事がおしてアンコールの「RUN TO THE HILLS」のサビが流れているときに会場へ走っていった記憶が(笑)。

当時はGAMMA RAYやRIOTに夢中だった時期なので(今でもRIOTには夢中)、そっちを優先していたのでしょうね。

その後大宮かどこかで観た記憶がありますが、一番好きだった時期には流刑地(いや、青森県ですけどね)に居たので都会へライブを見に行くというカネがなかったんですよ。えぇ。

蛇足ですが、流刑地(いや、青森だってば)では浜田麻里とノリピーのコンサートには行きましたよ。

で。

何を思ったのか、2020年にワールドツアーの一環で彼らが来日することを知り、衝動的にチケットを買い求めたのでした。

2020 COVID-19による公演中止




さて、ヘビメタ界のみならず、COVID-19によりコンサート活動に出動することが出来ないミュージシャンは、「外がだめなら内に」と意識が向かうのは当然のことで、数々のバンドが自粛期間中に新作を製作していった。
自分が気になるところでは、HELLOWEENでしょ、OZZY OSBOURNEでしょ、YNGWIEでしょ、ALCATRAZZでしょ、DREAMTHEATERでしょ、TODD MICHAEL HALLでしょ、BON JOVIでしょ、AC/DCでしょ・・・

そこへきてメイデンの新譜、「Senjutu」である。

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自宅で撮影したので、背景が畳で戦国エディにぴったりでしょ♪

BURRN誌のインタビューやライナーノーツからも明らかなように、パンデミック前には完成していたそうだ。
しかし、なぜ今(2021年9月発売)世に出たのか?
当初の予定では2020年のツアー終了後に新譜を発表する予定だったにもかかわらず、遅延。
ただ、そのおかげでミュージックビデオ「THE WRITING ON THE WALL」の制作に時間をかけられたということだ。


内容については拙ブログで触れているのでそちらを参照されたし。
それにしてもこういうディストピア的なストーリー好きだな。

さて、本作のアートワークについて見てみる。
まずいきなり目を引くのは観音開きのジャケットの中心にカタナを振りかざしたエディが登場。
それにしても昨今の音楽事情として、ダウンロードが主流になりつつある中でCDのジャケットを工夫してフィジカルの販売を伸ばそうとする涙ぐましい努力。

年代的に「ジャケ買い」や「ライナーノーツから情報を得ていた」世代なので、どうしてもデータだけの音楽鑑賞には抵抗がある。
そんな自分にとって、このテのジャケットは嬉しくておつりがくるほどだ。

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DISK 1が赤くて、DISK 2が青。いいじゃないですか。
陽と陰、善と悪、+と-、世の理の中心にエディが存在するというところでしょうか?

で、そのエディなんですが、ちょいとかっこよすぎやしませんか?
今までのエディは殺人者だったり、木になったり、下半身がなくて自らの心臓を持っていたり、ゾンビっぽかったり(あ、全部そうか)・・・
今回はなんというか、すごく人間っぽくてハンサム。
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ね。
なんか動き出しそうです。
こんなん、来たらいやだけど(笑)。

ブルース・ディッキンソンへのインタビューでは、特に日本のことを意識したわけではないらしい。
もちろん昔から、戦争をテーマにした曲を書いたり、自らもフェンシングをたしなむ彼だから、日本の武士に興味がなかったわけではないだろう。
確か宮本武蔵を題材にした曲もあったよね。

そんな彼らがパンデミックという世界的危機に武士を題材にしたジャケット(もちろん一部の曲でも)デザインを採用したというのもなにか縁を感じますね。
たまたま決まったコンセプトらしいけど。

それは歌詞カード(死語?)にも表れていて、あちこちに和風デザインが取り入れられている。
いわゆる「外人がイメージするメチャクチャな日本」ではなく、それなりにちゃんとした日本イメージをとらえているのは、的確なアドバイザーがいたんだろうな。
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ご丁寧に邦題までプリントしてあるよ。
普通の外タレ(これも死語??)だったら、作品を輸入した時に国内のレコード会社が手を加えてアレンジするだろうけど、本作は違う。
そこにメイデンの意識の高さを感じるのは自分だけだろうか。



さて、この作品を楽しんでいる間に、第2弾ミュージックビデオが公開されていたので、それも紹介しておく。


「Stratego」である。
前作同様ストーリー性のあるアニメーションだ。
ただ、その世界観は日本6割、中国4割という印象だ。
こちらも善と悪の戦いが抽象的に表現されていて、キングワールドのメイデン版という感じ(笑)。
いずれにしても、長編映画とは異なりサクッと楽しめるショートショート的要素の高い作品に仕上がっている。



CD2枚組、全10曲の本作。
当然この曲数だから10分越えの楽曲もある。
彼らの楽曲づくりは各々がアイデアを持ちより、一つのギターリフだけから発展させるものもあればほぼ完成形の作品もあったり、様々なアプローチで行っている。
やはりコンポーザーが複数居るというのは強い。
楽曲にバリエーションが出るばかりではなく、材料が多いほど厳選して最終的な作品のクオリティが上がるのだから。

全曲名をオフィシャルに発表されている和名とともに掲載しておく。

CD 1
1.SENJUTU ~戦術~
2.STRATEGO ~戦略家~
3.THE WRITING ON THE WALL ~不吉な予感~
4.LOST IN A LOST WORLD ~失われた世界でさまよう~
5.DAYS OF FUTURE PAST ~過ぎ去った未来の日々~
6.THE TIME MACHINE ~タイムマシーン~

CD 2
1.DARKEST HOUR ~漆黒の時~
2.DEATH OF THE CELTS ~ケルト人の死~
3.THE PARCHMENT ~羊皮紙~
4.HELL ON EARTH ~この世の地獄~




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aquavit103

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丙午生まれの♂。
40歳から始めた自転車に乗り、20歳で出会ったRIOTというバンドを愛し、14歳から読んでいるスティーブン・キングの本を読むことを至上の喜びとしています。