唐突にアップされたRIOTのドラマー、Flank Gilchriest作の「RISE AGAIN」がめちゃくちゃ良い曲。

RIOT(V)のドラマーであるFrank Gilchriest。

Screenshot 2021-06-20 at 22-08-26 Frank Gilchriest - Encyclopaedia Metallum The Metal Archives

今までも「Bring the hammer down」や「Take me back」などのバンドの作品にも携わってきた。
そんな彼がヴォーカルにTodd Michael Hall、ギターにNick Leeの協力を得て突然作品を発表した。

「RISE AGAIN」

Youtubeにアップされた楽曲はサウンドオンリーで、動画はない。
視覚的に表現されているのは、朝日(太陽?)が地平線のようなところから登り始めているように見える。
コロナで先行きが不安な人類。
特にエンターテイメントに携わる人間にとってはライブ演奏ができないということはひとつの表現の場を全く失われるということにもつながる。
言葉を返せば、むしろ純粋な創作の時間をじっくり取ることが出来るということでもあり、実際大物ミュージシャンがここぞとばかりに力作を発表、または準備しているというニュースが次々と飛び込んできている。

RIOT(V)の新譜については、コロナ前には2020年にはリリースされるというアナウンスがあったが、その後延期の憂き目にあい現状(2021年6月)では2021年中には発売されるのではないかという状況。

憶測だが、現在のRIOT(V)はニューヨーク、ミシガン、サンアントニオなど、各メンバーが離れて暮らしているのでもともとデータのやり取りによる創作が多かったと思われる。
新譜についてもプリプロダクションやアレンジなど、必要な作業はデータ交換で作業できることからなぜリリースが延期しているのか本当の理由は分からない。

ただ、前作「ARMOR OF LIGHT」のクオリティが非常に高かったのでプレッシャーは恐らく半端ではないだろう。
ま、活動期間も長いし、それぞれがいろんな経験を経ているメンバーだけにちょっとやそっとのプレッシャーには負けないだろうが、『作品のクオリティをより良くするために発売が伸びている』ことを祈らずにはいられない。


そんななか、ヴォーカリストであるTodd Michael Hallが発表した「SONIC HEALING」は、一本筋の通った良質なロックで、日に日に曲の良さが染みてくる。

ギタリストで主要メンバーの一人であるMike Flyntz は、パートナーであるTammi とコロナ蔓延前から毎週木曜日の夜に開催している(日本時間では金曜日の朝)「Basement Show」を欠かさずに発信していてすでに58回目(!)を迎えた。
時にゲストを迎えることもあるが、基本的にアコースティックギターとヴォーカルのみで様々な曲をプレイするというものだが、1年以上欠かさずに行っていること自体に驚きを隠せない。継続は力なり、だ。

同じくギタリストのNick Leeは2足の草鞋の片方、MOONTOOTHで夏にライブを予定している。
どちらに軸足を置いているのか正直分からないが、ギターの師であるMikeに誘われたRIOT(V)の活動はおろそかにできないというオトナの事情があるのかもしれない。

ベースのDonn Van Stavernはアルカトラズのレコーディングに参加したり、テキーラを飲んだり(笑)相変わらずである。特に創作活動が表立ってはいないが、当然バンドの曲作りはコンスタントにしているはず。

そして、Flank Gilchriestである。
今まで、SNS上で彼の動静をウォッチしていても、政治的な発言や(特にトランプ前大統領に関するつぶやきは多かったような気がする)社会の動向についての意見を発信することはあっても、音楽活動についてはあまり動いていなかったような印象がある。

ところがである。

先日突然発表された「RISE AGAIN」のクオリティが恐ろしく良いのである。
というか、好きだ。
分厚いコーラス、タイトに跳ねるドラム、もちろん歌の旋律が美しいことは必須なのだが、複雑さばかりを前面に押し出す昨今のコンポージングとは一線を画し、「メロディの良さ」で聞かせるタイプの曲なのだ。
そしておそらく歌詞もポジティブで今の世相を表したものではないか。

ある意味、トッドのソロ作品にもみられる、音楽の本質をついている曲作りともとれる。
ま、なにはともあれ、聞いてみてほしい。
フランクはいかつい熊みたいなおっさんだけど、こんないい曲作れるんだよ!

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aquavit103

Author:aquavit103
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丙午生まれの♂。
40歳から始めた自転車に乗り、20歳で出会ったRIOTというバンドを愛し、14歳から読んでいるスティーブン・キングの本を読むことを至上の喜びとしています。