実は本作品、以前から執筆している情報を得ていたのだが、なかなか発売に至らなかった。
詳細なオトナの事情は知らないが、教鞭をとっている風間氏のこと、講義に読書にと忙しかったのかもしれない。
発行は青土社。
定価3,400円+消費税。
発売予定日は2021年5月12日。
ISBN 978-4-7917-7376-3。
あ。
以前映画「IT」の公開に合わせて
キング特集を行った雑誌「
ユリイカ」を出版したところだ。残念ながら同誌は購入していないが、もちろん風間氏も寄稿している。
『スティーブン・
キング論集成~』の書影はまだ公表されていない。
しかし、
風間賢二の本(翻訳本ではなく)を確か読んだことがあったよな・・・と思い本棚を探していたら、著作が1冊、監訳した本が1冊ありました。
かなり昔に購入した本なので、記録のために紹介しておく。
『スティーブン・
キング インタビュー 悪夢の種子』
ティム・アンダーウッド、チャック・ミラー 編
発行 リブロポート
1993年10月30日第1刷発行。
ちなみに、共訳者として今や押しも押されぬ
キング作品翻訳の常連である
白石朗氏も参加している。
写真右側の本が悪夢の種子です。
本書の内容はざっと分けると以下のようになる(読んだのはウン10年前なので今回改めて超斜め読みをしました)。
*
キングのバイオグラフィー(もちろん1993年まで)
*ファンを囲む集まりでの発言
マサチューセッツ・ビレリカ公立図書館:1983年
*雑誌等によるインタビュー記事
プレイボーイ誌:1983年6月号
サウンズ誌:1983年5月21日号
ヤンキー誌:1979年3月号
ミステリ誌:1981年3月号
イングリッシュ・ジャーナル誌:1980年2月号
ソースブック誌:1982年
ミネアポリス・スター誌:1979年9月8日号
ローリング・ストーン・カレッジ・ペーパー誌:1980年冬号
タンパ・トリビューン誌:1980年8月31日号
ファンタジー・メディア誌:1979年3月号
シェイオル誌:1979年夏号
ウォールデン・ブックス新刊案内:1983年8月号
ヘヴィー・メタル誌:1980年1月、2月、3月号
ドラキュラの墓誌:1980年4号、5号
USAトゥデイ紙:1985年5月10日号
シネファンタスティック誌:1985年2号
ペントハウス誌:1982年4月号
ボルティモア・サン誌:1980年8月26日号
レディオ・アンド・レコード誌:1984年2月24日号
ハイ・タイムズ誌:1981年1月号
デトロイト・フリー・プレス紙:1982年11月12日号
*ラジオインタビューでの発言
ボストン・サンディ・レヴュー:ラジオ番組(WBCN-FM)。1983年10月31日放送
*出版界のミーティング
1979年世界ファンタジー大会【ロードアイランド州プロヴィデンス】ピーター・ストラウブと
1980年世界ファンタジー大会【メリーランド州ボルティモア】ピーター・ストラウブと
1984年世界ファンタジー大会【カナダ、オタワ】ピーター・ストラウブと
ま、スティーブン・
キングの公の場での発言集と言って差し支えないでしょう。
どのような立場での発言か、雑誌であれば当該雑誌がどのような性格のものなのか(プレイ・ボーイ誌のような超有名雑誌はもちろん、ローカル雑誌や大麻合法化に肯定的なもの、ヘビメタ専門誌なんてのもあるが)、あるいはインタビュアーの性格や質問する内容によって内容は異なり、様々な発言を引き出しているところが興味深い。
訳者のあとがきとして
風間賢二氏がクライブ・バーカーの発言を引用している。
『アメリカのどの家庭も必ず二冊の書物を備えている。ひとつは聖書であり、もうひとつはスティーブン・
キングの作品である』
本書のカバーを外し開くと(裏側に)大判のイラストが出現する。
町中を闊歩するガイコツとともにそこかしこに
キング作品の書名が散りばめられていて、眺めているだけで楽しくなる。
本書題字は堀内浩平氏が書いたもの。あえてへたくそに書いた字なのか??と思っていたら、「5歳」となっていた。チコちゃんと同じだ。
いやまてよ、5歳でこれだけ書けるとしたらスゴイ。もしかして書道家の子供なのか?なんて思ったりして。
そしてこれ。面白いのは1方向から本をたわませるとジャック・オー・ランタンが登場。
反対側には・・・
ドクロです。
こういうギミックは電子書籍では再現できませんね。
というか、画像データで再現したとしても見つけた時の楽しさは半減です。
本の「装丁」って、結構重要だと思っているのでこういうの大切にしてほしいですね。
『スティーブン・キング<恐怖の愉しみ>』
発行 筑摩書房
1996年11月13日第1刷発行。
風間氏が雑誌等のインタビューに応えた内容、あるいは書籍の解説として寄せた文章、書下ろしを交えて構成されている。
風間氏自身が文学研究家であるためキング著作の分析に関する部分は楽しくも時として難解であるが、なにより興奮して読ませてもらったのは聖地巡礼の旅である。
最初の旅は1992年6月に行われたのだが、当初予定していたキングとの会見が出発直前に取りやめとなってしまい意気消沈しながらも最終的にはキングその人と記念写真を撮るなど、読んでいるこちらまでハラハラしながら読んだものだ。
本書オビに書かれた文句は以下の通り。
『自称ナンバーワン・ファンによるわが国初の本格的評伝+作品論 キング・オブ・キングス』
で、本書のほうは装丁はそれほど(悪夢の種子と比較すると、という意味で)凝っていない。
それでも、カバーを外した部分にカラー印刷を施すとは珍しい。
さらにカバーを外した裏表紙にはホラー界屈指の超有名キャラのご三方。
一時期同じ出版社で机を並べていた両氏は、どちらも負けず劣らずのキングフリーク。
新作をどっちがさきに読破するか競い合っていたほどで、そんな彼との「競争」により両者ともキング作品にさらに溺れるようになっていったそうだ。
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