『わが母なるロージー』を読了しました。
著者はピエール・ルメートル。フランス人の作家です。
そして
以前彼の作品を読んでいました が、ロクに内容に関する記述がありませんね。
ま、感想を書くとネタバレの嵐になりそうなのでしょうがないか。
で、以前読んだのが『その女アレックス』と『死のドレスを花婿に』です。
彼の作品に登場する人物「カミーユ・ヴェルーヴェン」警部は強烈な個性の持ち主ですが、彼を中心とした三部作が ① 悲しみのイレーヌ ② その女アレックス(既読) ③ 傷だらけのカミーユ です。 そしてこの『わが母なるロージー』もカミーユが主人公なのですが、作者曰く 「本作はとても短い小説になった。三部作は四冊にはならず、三冊半である。」(一部序文より抜粋) つまりカミーユシリーズの2.5作目という位置づけのようですね。
さて、”初版限定付録つき”と謳っている小冊子にある作品紹介を抜粋しよう。
パリで爆破事件が起こった。事件を担当することになったカミーユ警部の前に、自分が犯人だと名乗りでた若い男。彼はまだあと6つの爆弾が仕掛けられていると告げ、カネと無罪放免を要求するが、カミーユは男の真の目的は別にあるとにらむ・・・・。読者の熱い声に応えて書き下ろされた、日本でも累計120万部を突破した大人気シリーズ番外編。
この犯人。 テロ対策班の尋問にも耐え、紆余曲折あり(たった3日間だけど)結局は自分の目的を遂行するというツワモノ。カミーユ警部が無能というわけではないが(現に彼が犯人を追いつめたと言える)、なんとも後味の悪い作品。ま、ルメートル作品はどこかにこういったダークな人間の側面を見せる作品になるのかな。
題名にあるロージーは犯人の母親の名前である。 そして原題は Rosy & John で、これは64年に発表された曲の題名からつけられたもの。 あらすじでは母親であるロージーについて語られないが(そして作品中でもたいして出番はない)、彼女の本作における影響力は大きい。とだけ書いておきましょう。
作品中、「いや~、こりゃねぇだろ」と思ったシークエンスがひとつ。 103ページ(笑)にある一文。
カミーユもテロ対策班の尋問方法についてはあまり知らないが、ちょっと考えただけでも背筋が凍る。(中略)・・・狭いところに閉じ込めるとか、大音量でハードロックをかけつづけるとか・・・。
え? ハードロック?? こちとら、ウエルカムなんですが。 出来ればRAINBOWでお願いします♪
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