『鬼滅の刃 無限列車編』を観てきました。後から気づいたのだけどPG-12だったのね。

つい1か月前までは風の噂にしか聞いたことがない作品でした。
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なんか映画も公開されるらしいし、バンバン宣伝もしてるし、何より娘の激推しもありコミックを読むようになりました(未完結)。

オリジナルストーリーでもないし、あらすじがどうのこうの言ったところで面白くないのでオトナの考察を。

【ジャンプ風世界観】

現代は漫画の供給過多のような状況が続いていて(個人差があります)、おぢさんは着いていけません。でも昔から変わらないのはやはり①ストーリーがしっかりしていること ②キャラクターが魅力的であること ③絵がきれいなこと だと思っています。

鬼滅の刃原作について言えば、③は当てはまるかどうか疑問が残ります。
まだ13巻くらいまでしか読んでいませんが、ま、アニメよりも原作のほうが線がラフになることはよくある事。まして、毎週締め切りを控えながらネーム、コマ分け、背景作画、完成という工程を考えるとホント漫画を描くのって大変ですよね。たとえアシスタントが沢山いても作者のチェックは必須なわけで。
だから、本作についても線画がとてもキレイ・・・とは言い難いです。
ま、幽〇白書の最終回寸前の適当(いや、ラフにして荒廃感を出したかったんですよね ^^)な線画に比べればまだ良いのですが・・・

では本作の特徴は何かといえば①と②です。
鬼との戦いというのは言い換えれば「人間と異形のもの」と捉えられます。こういうテーマは古今東西いくらでも見受けられるし、何も新しい着眼とは言えません。
そこに日本古来の異形(一説には鬼や天狗は西洋人ではなかったかとも言われてますよね)である『鬼』をもってきたところ。

加えて、そこにヨーロッパのクラシックモンスターである吸血鬼の「陽光が苦手」だとか「弱点を責めないと息の根を止められない」という要素を加えることで、無敵ではないが限りなく人間よりも強いという性格を与えたところは良いアイデアですね。

そして何より(これが一番少年ジャンプ的で本作の強み)主人公の一途な精神力がある。
この劇場版の中でも触れられているが「精神の核」を消して人間の精神を破壊しようとする刺客でさえ、その精神の美しさや崇高な姿にひれ伏してしまう・・・という、まるでメシアであるかのような描かれ方。
それを裏付ける主人公のポジティブなセリフ。
これによりただの人間VS.鬼の格闘漫画に成り下がるところを少年の成長譚としてエンターテインメントまで昇華させたところは素晴らしい。

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【線・色・音によるエンターテインメント性の向上】

原作とは違い当然映画では色や音声が加わることになる。
最近の格闘ストーリーではよくある事だが(RPGなんかもそうですね)、キャラクターによりあるいはその戦闘スタイルにより技に属性が付されるのがデフォルトになりつつあります。
例えば本作で主人公が操るのは基本的には水属性の斬撃ですが、実は先祖は炎を操る一族(姓が竈門だもんね)であるため、必殺技は炎属性の攻撃となる。
属性の違いによって水なら青、炎なら赤という色の違いもさることながら音声でも表現できる映画ですから感動がビシビシ伝わってくるんですね。

今回初めて知ったのですが、劇場版の第2の主人公である煉獄杏寿郎の姓である「煉獄」というのはキリスト教で天国に行く前に生前の小罪を浄化する場所のことなんですね。
つまり、鬼に落ちた人間の穢れを消すための一族とも考えられますが、このキャラクターも主人公に勝るとも劣らない一途な精神の持ち主。

こういうところが若者に受ける一因なんでしょうね。

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【すべての事象はスティーブン・キングに繋がる・・・】

あ、ここからは映画とは関係ありません。ただの妄想です。

一体鬼はどこからやってきたのか。
まだ原作途中までしか読んでいないので、その問いに対する解が語られるのか否か分かりませんが、前述したように西洋のモンスターとの類似性、残虐性、鬼が人間の社会生活に溶け込んでいる様子など、様々なことを考え合わせると、まるでキングの中間世界(ミッドワールド)からポータルを経て襲来したのではないかとも考えられる。

さすがに暗黒の塔に関連する情報は(今のところ)ないが、主人公の妹(鬼)の脚に描かれた葉の模様の入れ墨は日本のそれとは若干趣が異なるのではないか?

ランドル・フラッグのようなどの時代にも、どこにでも神出鬼没で絶対的な悪の力を持つ敵キャラに当てはまるのは本作の敵ボスの鬼舞辻無惨ではないか?

THE Stand japan

無惨も鬼の姿になる時もあれば人間のようでもあり、時には男か女かさえ分からないような容貌にもなる。
変幻自在、圧倒的な悪の力、残酷、などに加え、純粋な子供が持つ「善」の力にてこずらされるところなど、まさに暗黒の塔の鬼ヶ島版が鬼滅の刃なのではないだろうか?(笑)

そういえば、無惨は「青い彼岸花」を探してるんだっけ?
赤いバラと青い彼岸花。
まるで対照的ではないか。

【おまけ:PG-12】
観終わってから知ったのですが、本作はPG-12指定なんですね。
PG-12正確な意味を知りませんでした。

小学生以下のお子様が視聴する際、保護者の助言・指導が必要。鑑賞する際にはなるべく保護者同伴をオススメする作品です。小学生以下のお子様にとっては不適切な表現が一部含まれています。が、あくまで「助言・指導が必要」であるため、子供が見てはいけない、というわけではありません。

↑ ということのようです。

確かに主人公の正義感やまっすぐな性格、仲間思いなところは子供にぜひとも見せたいところですが、ま、殺し合いですからね。
むかし、「ヘビメタを聞いて自殺した」とか「ホラーは百害あって一利なし」とか言われましたが(今でもいう人いるかな?)、要は「どう解釈するか」ですね。
不適切な表現でも助言や指導によってまっとうな青少年になる・・・というわけでもないような気がしますが ♪
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aquavit103

Author:aquavit103
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丙午生まれの♂。
40歳から始めた自転車に乗り、20歳で出会ったRIOTというバンドを愛し、14歳から読んでいるスティーブン・キングの本を読むことを至上の喜びとしています。