コンサートに行ってきました。『弁天百暇堂 no.2楽聖前夜』。久しぶりの生演奏はそれだけでも楽しいのに、楽聖の新しい一面を見たような気がします!

2020年9月19日㈯の記録です。

COVID-19騒ぎは一向に終息の気配を見せず、感染者数が減少していないのに消費活動を再開している日本は「どうなってんだ?」と思いながらも、特定の職業の方々が収入減少するのも「マズイ」と感じている今日この頃です。
フランスのように毎日1万人単位の感染者が出ている国に比べればまだ良いほうなのでしょうけど・・・

さて、そんな自粛生活にも飽き飽きしているわけですが、今年は楽聖ベートーベンが生まれて250年という記念すべき年です。

昨年から様々な楽団・音楽家がベートーベンに関するプログラムを用意していたにもかかわらず中止・延期の憂き目をみている現状ですが、クラシックのような大声を出さないジャンルに関しては規制が緩められています。
当然市井の人々の感染防止に関する意識の向上もあり、以前ほど外出することに対するハードルが下がっていることもあり、超絶気になっていたコンサートに行ってきました。


弁天百暇堂no.2楽聖前夜』です♪

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もう8年も前になりますが、「Viola de Bach!」という室内楽を鑑賞し、それ以降(あまり足を運べてはいませんが)チェックしていた方が企画した演奏会です。


さて、時系列に記録しておきます。
【ランチ】
まずは会場近くにあるお食事処を検索しました(笑)

白羽の矢を立てたのが「タイ国ラーメン ティーヌン 西早稲田本店」です。
本格アジアン料理はいろいろな意味で自宅で食べることはなかなか出来ないので、数日前から楽しみにしていました。

ここはトムヤムラーメンを売りにしているお店らしいのですが、入店するまで白紙の状態。当日メニューを見て決めましたがやっぱりトムヤムラーメンになりました(笑)

チョイスは「選べるタイラーメン&ミニガパオセット、トムヤムラーメンで。」original.jpeg

今まで食べたトムヤムクンで最もおいしかったのはドイツの田舎で食べたそれですが(ダメじゃん)、この日の「トムヤム」感もなかなか。

一時期アホのように流行った「なんでもパクチー大量に入れればいいや」的なこともなく、食している途中にアクセントとして時々パクチーが主張する、そんな塩梅を楽しみました。

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ただひとつ失敗したのが麺です。
普通にかん水麺にしておけばよかった。
注文したのが米粉麺だったため、トムヤム味のスープを堪能している間にちょっと伸びてしまいました。かん水麺のほうが伸び耐性が強かったかもしれませんね。

しかし、ラーメンの辛さと風味、ガパオの甘さ(これが絶妙に旨さと両輪ハーモニー!)、箸休めの生春巻きもサワリーなソースが合っていました。

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野菜もたくさん摂れて大満足でした。
次回早稲田に来るときは要チェックかな。

【腹ごなしの散歩】
さて、会場まではゆっくり歩いても15分くらいの距離なのですが、東京のクソ狭い路地を堪能しながら歩いていると知らない間に現地到着。

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もともと豊臣家家臣であった小泉源兵衛が移り住んだのがこの地で、火薬を扱っていたため荒れ地の開拓に尽力したらしいですね。

あちこち彼に関する史跡が残っていました。

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生活道路の一角に店舗兼住宅が居を構える・・・という図は地方都市ではどんどん減っている風景ですね。

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宮家も通う(った)某学習院をかすめながら歩きます。
ゆっくり写真を撮っていると不審者と間違われそうなので、歩きながらの撮影です(小心者)。

【会場到着】

時間に余裕をもって現地に到着したので、古そうな建物を撮影。
こちらのスコットホールは1921年の完成。
ぱっと見は東京駅(発想が貧困)。

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建物の裏側に回るとまるでヨーロッパの町を思い出します。
半地下っぽいところはイギリスのお化けが出そうなトコロみたいですね。

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ん?
裏手にギャラリーの看板がありましたが、この日はクローズかな?
というか、近くに行くとバイオリンとフルートの音が聞こえてきました。
なるほど、教会というか講堂というか、本来コンサートホールではないので控室がないのでしょうね。

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時間も迫ってきたので会場に入ります。
このご時世ですから検温と手指の消毒はマストです。
この日は携帯消毒スプレーを持参し、食前にも消毒しましたが再度滅菌作業に勤しみます。
やりすぎってことはないですからね。
受付に入る時も前の人のケツが見えなくなってから、ね。

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毎回興味深いチラシを製作するのですが、今回印刷されていたそれは思ったよりもコンパクトでしたね。
絵のタッチが松尾たいこのイラストのようで素敵です。

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【コンサート】

さて、会場内、驚いたのはコンパクトな室内には似つかわしくないほど立派なパイプオルガン。
残念ながら今回オルガンは奏されませんが、教会でオルガン演奏・・・というのもバッハっぽくていいですね(あれ?ベートーベンじゃなかったの?)

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観客は1席おきに着席。
この直後東京都から(?政府からか?)例の「声出さなきゃ定員100%入れてもいいぞ」というお達しが出たようです。

それにしても感染対策に要する余計な(失礼)手間、タダでさえこういった手作りの演奏会は企画・主催者が苦労するのに、彼らの仕事が増えると思うとそれだけで「開催にこぎつけてくれてありがとう」という感謝の念しかない。

それに加えて以下のようなプログラム!
最初の音が出たときに思わずうるっときたのは内緒です。

1.2つのオブリガート眼鏡付きの二重奏曲 変ホ長調WoO32
  ヴィオラ:内田恵里
  チェロ:古市慎太郎

2.フルート、ヴァイオリン、ヴィオラのためのセレナード ニ長調op.25より
  フルート:山岸麻里恵
  ヴァイオリン:津田まや
  ヴィオラ:内田恵里

      休憩      

3.モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 ハ長調WoO28
  <Oboe Paradise>
  長澤優代
  加藤耕義
  奥野洋平

4.弦楽四重奏曲ヘ長調Hess34
  ヴァイオリン:中島嘉菜子
  ヴァイオリン:藤井美史子
  ヴィオラ:内田恵里
  チェロ:古市慎太郎

さて、各曲感じたことを。
(プログラムの「楽しい」曲解説をおおいに参照)

1.2つのオブリガート眼鏡付きの二重奏曲 変ホ長調WoO32
眼鏡付きとは何ぞや?
譜面を読む際に眼鏡が必要の意だそうです。
つまり細かいフレーズで音符の数が多いということですね。
曲を聴くと「ザ・クラシック」という雰囲気で、良い意味で「型にはまったクラシックらしい」曲が好きなワタクシとしてはもう大好物。

2人でこれだけの難曲を聴衆の前で披露する・・・緊張するだろな。
そしてコンサートが終わった後の飲み会は(自粛ムードが漂っていたにせよ)盛り上がるだろうな(笑)

2.フルート、ヴァイオリン、ヴィオラのためのセレナード ニ長調op.25より
1曲目と同様、「元気が出る曲」とお見受け。
作曲者25歳ころの作品とのことで、まだ病魔に苦しめられる前の前途洋洋なルードヴィッヒのフレッシュな魅力満載ですね。
晩年の作品は「苦しみから解放されて喜びを謳いあげる」交響曲が特徴的ですが、このころの作品はただひたすら元気!
聞いているだけで笑みがこぼれます。
特に4楽章がよかったな。

3.モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 ハ長調WoO28
モーツァルトの作品をルードヴィッヒお得意の変奏曲で提供。
もともとモーツァルトの旋律はシンプルかつ親しみやすく、本作はそのアレンジと相まってまるで日本の大衆音楽作品量産作曲家(?)の宮川奏のシャボン玉ホリデーの曲を聴いているかのような錯覚を覚えました。


4.弦楽四重奏曲ヘ長調Hess34
あ~、それにしても室内楽というのはかくも聞き心地の良いものなのか。
もちろん大編成オーケストラの派手な演奏も好きだが、小さいホール、少人数の演奏で、観客も限られたスペースでの演奏会は、コンパクトさゆえの一体感というか「ワクワク感」が溜まらない。

ましてや「禁ライブ」状態が続いた身としては推して知るべしである。

で、本作はルードヴィッヒ本人が編曲した作品でも珍しく弦楽四重奏のものはこれだけだそうです。

そしてこれも「ザ・クラシック」の響きなのです。


あ、そうそう。
写真を撮り忘れたのですが、この会場の窓。
上下に開閉する電車風のものですが、そのストッパー部分はまるで昭和の電車のそれ。

そう、こんなやつ。

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レトロ感のある会場で古い音楽を聴く。
至福の時でした。
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コメント

コメント(2)
歴史を感じます
こんな講堂で聴く室内楽は良いでしょうね。
パイプオルガンがどんな音を響かせるのか聴いてみたいものです。

bunaibu

2020/09/27 22:44 URL 編集 返信
Re:歴史を感じます
bunaibuさん、コメントありがとうございます!

ライブでクラシックを聴くようになってからいろいろな切り口で興味を持つようになりました。
最初は好きな曲。
そのうちお気に入りの楽団が出来て、気になる指揮者やプレイヤーなど。

最近は演奏場所に関する興味も。
早くバンバン鑑賞出来るようになって欲しいです♪

103

2020/09/28 19:50 URL 編集 返信
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丙午生まれの♂。
40歳から始めた自転車に乗り、20歳で出会ったRIOTというバンドを愛し、14歳から読んでいるスティーブン・キングの本を読むことを至上の喜びとしています。