今年もやってきました。キング作品を1ドルで映像化しちゃおう企画。『ダラー・ベイビー・フィルム・フェスティバル』です。

恒例企画。
キングが「わずか1ドルで作品の映像化権を売っちゃう(つまりタダみたいなもの)から、有能な映像監督よ、楽しませてくれたまえ」的な企画。
何年も前からこういった試みをキングは行っていて、エンターテインメント業界のために尽力している。

で。

昨年、初めてツイッターかなにかでこの企画がWeb上で見ることが出来ることを知り、初めて見たのが昨年だった。
その様子は当時の拙ブログを参照されたし。

さて、2022年である。
早速Youtubeで探したところ、「Stephen King Rules chapter 2」と銘打った映像が見つかった。
例によって全編英語だし、各作品の前後にいろいろおしゃべりしている傍観者が何を言っているかは分からないが、そこはホレ、キング作品を元にしているというのだから、なんとなく「アレかな?」っつうのが想像できてしまうわけである。

【ザ・ブギーマン】
日本語に無理やり訳せば「子とり鬼」というところか。
人間だれしも子供のころにこんな経験があったはず。
例えば布団が盛り上がっている下には、何か得体のしれない怪物が潜んでいるかもしれない・・・
例えば押入れの中に隠れている怪物が寝ている間に出てきて襲われるかもしれない(本作はこれ)・・・
例えば寝るときに天井の模様が得体のしれない何かに見えてしまって、その夜は悪夢を見る・・・
例えば眠れない夜にアタマの中で想像しているものがまるで実物になったかのように思えて恐怖に打ち震える・・・

そんな想像力を原動とする「怖さ」を具現化した作品。
確かキング作品ではまさに「子とり鬼」という短編があったような気がするが、よく覚えていない。

しかし、キング作品に登場する子供たちは想像力が豊かで、ちょっとした拍子に恐怖を感じることもあるし、それによって悪の手から逃れることが頻繁にある。
ただし、本作に登場する子供は逃れることが出来なかった最悪の例である・・・

ブギーマン

【Mute】
想像だが、たぶん文春文庫「夜がはじまるとき」に収録されている『聾啞者』の映像化作品。
初老の男性が神父さんのもとを訪れ経験談を語る。
ある冬の日、道端でヒッチハイカーを乗せたが、言葉がしゃべれない。
そこで男性は自分のことをいろいろと話し始めるのだが、内容はエスカレートして妻のことになる。
ひとしきり話した後に小用を足すために車を止めると、ヒッチハイカーは居なくなっており、自宅の奥さんの写真立てに硬貨を用いたペンダントと、「Thanks for your ride」の走り書きが・・・

MUTE.jpg

小説を読んだ時の感想をアップしたはずだと思い探したところ、2010年にエントリーが見つかったが、恐らくこの作品だということしかわからず、本作を再読したくなった次第。

Restare
えーと、言葉の意味は・・・再起動?
主人公は作家のようだが、彼女の作品がRestare。
ファンとの触れ合いを題材にした作品のようだが、?わからない。
キングの原作名はREST STOP。
なんだろう。
gender swap ?
視聴者のコメントにあったワードです。

【The Jaunt】
おぉ!
ジョウントですよ。
まず、キングがリスペクトしてパクった(笑)と思われる元ネタはアルフレッド・ベスターの「虎よ虎よ!」。
一応、拙ブログでも紹介しているので、そちらも参照されたし。

上記作品ではジョウントは空間(と時間)移動の手法として採用されている程度だが、キングはその技術だけを主題にして作品にしている。
で、ベスター作品はSF古典というだけあり、古い作品。
で、キング作品であるにもかかわらずベスター版ジョウントに敬意を表したのか、フィルムのつくりが、ちょっと古臭くて良い味を出している。

ジョウント

そして、ジョウントでの空間移動旅行の際には必ず眠っていないといけないのだが、このモチーフはランゴリアーズそのもので、ワクワクしてしまうのである。

どうでもいいことだけど、登場人物の一人が空港(?)で読んでいるのが古いトワイライトゾーンの雑誌というところがイイね。


あと、まぁ、2時間作品を見たところで体力の限界。
というか、全編英語(とスペイン語?)なので、疲れちゃうのでここまで。

改めて、こういう企画で若い人にチャンスを与えるというのはキングらしいし、それを続けていることが先人の責務なのかも知れませんね。


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aquavit103

Author:aquavit103
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丙午生まれの♂。
40歳から始めた自転車に乗り、20歳で出会ったRIOTというバンドを愛し、14歳から読んでいるスティーブン・キングの本を読むことを至上の喜びとしています。