自分はリアルタイムでファーストルパンを見たわけではないが、9歳のころに見たテレビアニメが強烈に印象に残っている。
いわゆる緑ジャケットのルパンだ。
そのころ(多分70年代初頭?)から
次元大介の声優を担ってきた
小林清志さんが逝去された。
89歳だった。
当時のテレビアニメと言えば子供向けのものばかりで、主題歌は〇〇合唱隊やこおろぎ73などが「正義はかつ、強く生きよう」等々、子供だましの歌詞のものだった時代、
ルパン三世の主題歌は「Lupin the third」しか歌詞がない。
まぁ、あとはスキャット。
エンディングに至ってはひたすら峰不二子らしき女性が大型バイクに乗っているだけの映像が流れているだけ。
そんな異色なアニメに強烈に魅かれたのが独特な主題歌だけでなく、メカの書き込み、サイケな雰囲気、男の美学、女の裏切り等々、大人の雰囲気のなかにコミカルな面をのぞかせる作品作りだった。
主人公である
ルパン三世は普段はコミカルな部分を担当。
それに対してハードボイルドな雰囲気を担うのが
次元大介。
一体
次元大介を通して
小林清志が語ったセリフからいくつの大人ギアの名前を教えてもらったことだろう。
やはりルパンが国民的アニメとして定着したのはPART2の時。
確か100数十話放映されたはず。
中には惰性で作られた作品もあるが、今どきそれだけ長く続くアニメは珍しい。
100話としてもおよそ2年間である。
そして淡い記憶では記念する第100話はテレビアニメ初のステレオ放送だったはず。
たまたま自宅のテレビを買い替えて、ステレオ放送受信機搭載テレビだったのだが、いかんせん走りのころはステレオ放送プログラム自体が珍しい時代にアニメでそれだ。
ルパン三世という作品でステレオ放送が採用されたことと、自宅でそれを体験できる幸運とに恵まれ、めちゃくちゃ興奮したのを思い出す。
そして、記憶に間違いがなければその第100話のエピソードは「荒野に散ったコンバットマグナム」だったはず。
【注:このエピソードからステレオ放送開始というのは合っていたが、第99話だったようです】
なにせ、ルパンファミリーはルパン一味4人+銭形警部の5人なので、各人物に絡むエピソードを作ったとしても5×10エピソードとしても50話にしかならない。
(脚本を書く人は大変だっただろうな。)
ファミリーの中でルパンを最も良く知り、最も優しく、最もカッコイイのは
次元大介であることはほとんどのルパンファンは納得するところだろうし(あ、原作は別ね)、その声を一番長く支えてきた
小林清志の逝去は「とうとうこの時が来たか」という印象。
PART6製作の際にエピソード0という形で
小林清志最後のエピソードを最後に大塚明夫にバトンタッチしたわけである(大塚明夫でさえ、自分よりも年上ですが)。
その時の小林のコメントを引用して冥福を祈る。
『(前略)次元はそんじょそこらの悪党とは違うぞ。江戸の粋というもんだ。変な話だが、次元は江戸っ子だ。明夫ちゃん、これは難しいぞ。雰囲気はJAZZにも似ているんだ。
最後にこれまで応援してくれた人たちにお礼を申し上げる。ありがとうございました。
ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。
あばよ。』
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