え~、まずはどうしてこの時期にコンサートへ(それも隣県へ)行ったのか。
実はこの日は結婚記念日。
オミクロン株の新規感染者が減りつつあるとはいえ、まだ高い水準。
そんなタイミングではあるけど、車で移動する条件付きで(もちろん昨今のクラシックコンサートでは「ブラヴォー!」などの声掛けは全く行わない。オーディエンスがちゃんとわきまえている)、行ってまいりました。
川口のアリオへデポ。
こういう施設って駐車場もリーズナブルで、メシも食えるし重宝するな。
ま、休日は人が多いのが玉にきず・・・
アリオ~リリア川口までは徒歩。
日向は暖かくて快適。
当日、梅はまだ早そうだったけどあちこち蕾がふくらんでいる。
会場につくと、ひな人形がお出迎え。
(白状すると、気づいたのは帰りですが・・・)
埼玉南部は人形作りが盛んというイメージがありますが、今でもそうなんでしょうかね。
今回の公演は久しぶりの読売日本交響楽団。
今回スケジュールの関係でチケット購入が遅かったため、C席は売り切れ。
仕方なくA席という中途半端な(普段では購入しない席種)シートを購入。
どんなポジションかって?
なんと2階席、最後部の端っこ ^^
ところが。
これがなかなか快適な席でした。
最後尾だから、終演後もすぐに帰れる(笑)。
もちろんトイレも激近。
おまけにこの日のメイン楽曲、「
悲愴」のノリノリ第3楽章を後ろの人に気兼ねなく
ヘッドバンギング体をスイングできる。
ちなみに2階以上の席は初めて(だと思う)だったのですが、上り階段のところに年代物っぽい時計が鎮座していて思わず撮影してしまいました。
さて、開演です。
オープニングにふさわしい、優雅な曲です。
あれ?
指揮の広上さん、印象に残っているお顔と違う・・・・
テレビで見たときには頭髪が少ないながらも渋いハゲ方で(なんじゃそりゃ)、良い味を出していたんですが、ご本人登場すると潔いスキンヘッド。
その筋の方ですか?と見まがうほどですが、なかなかどうして似合っていらっしゃる。
もうね。
そんなことを気にしていたらあっという間に曲が終わってたんですよ。
そして小山さんが登場しての
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「
皇帝」です。
冒頭に記したように直前で演奏曲の変更がありました。
ま、内輪ではもっと前に決まっていたのでしょうが、知らされたのは直前でした。
この時驚いたのが、ピアノの前には楽譜がないこと。
まさかの暗譜です。
確かにクラシックの場合、特に有名楽団では頻繁にいろいろな曲の演奏がありいちいち覚えていられないので楽譜がマストというケースが多いと思います。
ピアノ協奏曲の場合それだけで選択肢が狭くなるし、
ベートーヴェンのピアノ曲を長年弾いてきた小山さんなので完全暗譜なんでしょうか。
だからかな。
もうね、完璧な演奏なんですよ。
曲の印象はとても似ているのですが、もっとソフトに聞こえた・・・・というか、ピアノの音と楽団のアンサンブルが柔らかく融合していたような印象を受けました。
広上さんと小山さんの息もぴったりで、それが音に現れていたのでしょうか。
声援は一切ありませんが、割れんばかりの拍手が長く続きアンコールに応えて「エリーゼのために」の独奏です。
2018年の時とこれまた同じ構成です。そして同じように素晴らしい演奏に心打たれます。
楽しくてあっという間に前半終了、余韻に浸っているとすぐに休憩時間が無くなるので早めにトイレを済ませて(激近だからね)、
チャイコフスキーの交響曲第6番 ロ短調 Op.74「
悲愴」へ突入。
というか、生で見るのは初めてなんだけど、パフォーマンスが素晴らしい。
とにかく楽団との一体感というのかな。
指揮者としては当たり前なんだろうけど曲を隅々まで知り尽くして的確なタクトの振り方を披露するだけでなく、オーディエンスまでも楽しませてくれる指揮ぶり。
誤解を恐れずに書くと、以下のような人々を想起させるようなパフォーマンスぶりでした。
時にはラジオ体操のように規律正しく、ワルツっぽい曲調の時には一緒に踊り、ジュリーの勝手にしやがれ風な振り付けだったり、はたまたアングラ演劇の演者のようだったり。
それらが曲のイメージとぴったりで、緩急激しい曲調に合わせて変幻自在なところだけでも見る価値はありますね。
そして読響の面々。
公式HPにメンバーの紹介はありますが、アマオケと違いこの日の参加アーティストが誰かは記載がありません。
それでもチューバは1人で奮闘していました。次田さんでしょうか。もともと音量が大きい楽器とはいえ一人で存在感のある音を出していました。
そして
悲愴で大活躍していたのはチェロ。他の楽器の引き立て役に回る時もあれば、特にソロ的な役割で目立った演奏も。パートリーダーが恐らく遠藤真理さんでしょうね。マスク姿だったので良く分かりませんでしたが(遠いし)難曲(かつソロパート多し)のため、終始険しい表情で演奏していました。
今回事前にお勉強していったのはこの曲だけだったのですが、それが功を奏しました。
なにせ、
チャイコフスキー晩年の傑作で、自身の寿命が近いことを察してか(一部では自殺ではないかという説も?)渾身の曲です。
最近、
ベートーヴェンの交響曲に慣れていた身としては徐々に盛り上がって最後に大団円!という構成を想定していました。
しかし、
悲愴の構成は意表を突く1~3楽章まで究極の盛り上がりを見せ、第4楽章で静かな嘆きの曲へ戻る。プログラムにもあるように『次第に感極まり、号泣するようなクライマックスへと達する』でした。
もう、その言葉を地でいくような演奏。
これぞクラシックの醍醐味と思いながらも、後で思い返したのはやはりメタルのバラード曲のような良さがあるな~というもの。ジャンルは違えど激しい心情を表す曲は良いものです。
蛇足ですが、終盤で1回のみ使用されたドラ。アノ場面で来るとは思いませんでした。
いやー、今回も楽しかったです!
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コメント
ようこそいらっしゃいました。川口市民ではありませんが、地元みたいなものなので・・・。
演奏会、ご満足されたようで何よりです。
この日は久しぶりの洗車と、身の回りの片付けに明け暮れていました。
私は6月にリリアで諏訪内晶子さんの演奏を聴く予定です。
bunaibu
2022/03/09 19:58 URL 編集 返信というか、返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
今回はアリオに駐車したので、昼食を手早く済ませました。
極力人混みを避けておきたかったのですが、フードコートは家族連れで混雑していました。
子供たちは長期間のストレスにさらされているので仕方ないですね。建物入り口前に大きな広場があって遊べるので良いな~と思いました。
6月の諏訪内さんのコンサート、楽しみでしたね。
公演中止になってしまったのは残念です。
最近はこういった公演中止や飲食店の時短営業等が本当にコロナ感染対策になっているのかわからないので、意味はないのでは?と思い始めています。
ただ、強制的に規制しないと自分が遊びたいがゆえに密な場所へ行ってしまう輩がいるのも事実なのですが・・・
それにしてもこの日は「悲愴」がめちゃくちゃ良くて、チャイコフスキーはいうまでもなくすっかりこの楽曲のファンになりました。
103
2022/03/15 11:25 URL 編集 返信