平日で休みの4月20日。
所沢まで出かけてきた。
3つのお楽しみを堪能♪
3.惜しまれつつ昨年12月に我孫子の店舗が閉店、中野に再オープンしたパン屋さん「
小星」訪問
まずはコンサートから。
お目当てはこのアーティスト。
セルビア出身のヴァイオリニスト、
ネマニャ・ラドゥロヴィチ。
このジャケットは2022年に発売された現時点での最新アルバム、ROOTS。
ジャンルは違えど、同じアーティストとしてCOVID-19により自身の活動に対する自問自答を行ったHALESTORMのアルバムは「BACK FROM THE DEAD」だった。
リジー・ヘイルは音楽を続ける意味を見失いかけ、そこからの復活作としてのこの題名。
かたや
ネマニャは自らの演奏活動が制限されてから、様々な音楽を聴くことに時間を費やしその結果として結実したのがROOTS。
実に対照的ではあるが(特にジャケット写真 笑)、ともに音楽に対する姿勢の深さゆえ自作品に自らの存在意義を問いかけたような作品となった。
ま、多かれ少なかれ様々なアーティストが(音楽であれ他の芸術であれ)この社会情勢に強く影響を受けたわけですが。
話しが横道にそれたが、今回の来日公演。
自分が
ネマニャに興味を持ったのはコロナ禍になる直前。
当然全ての公演がいったんキャンセルされたわけですが(IRON MAIDENは振替公演すらない)、今回がその後初めてとなる日本公演。
さらに4月20日のショーが日本公演初日なんですね。
記録のために公式プログラムにある内容を。
日時:2023年4月20日㈭ 14:00~
場所:所沢市文化センター ミューズ アークホール
主催:公益財団法人所沢市文化振興事業団
Nemanja Radulovic, Violin
ドゥーブル・サンス [弦楽合奏+ピアノ・チェンバロ]
Double Sens, String Ensemble + Piano&Harpsichord
曲目:ヴィヴァルディ:四季(ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』 op.8より)
Antonio Vivaldi(1678-1741):Le quattro Stagioni (Il cimento dell'armonia e
dell'inventione Op.8)
~休憩~
セドラー:日本の春
Aleksandar Sedlar(1982-):Spring in Japan
リムスキー=コルサコフ(セドラー編):《シェヘラザード》Op.35
Nikolai Rimsky-Korsakov(1844-1908)arr. by Sedlar:Scheherazade Op.35
【感じたこと】
*
ネマニャ、登場時に松葉杖使用していてビックリ。どうやら右足負傷している模様。あ、そういえば前日ゲネプロ時の映像がSNSでアップされていたのを見たとき、座ってた。単純に本番じゃないから椅子利用していたのかと思っていた。(画像は所沢市民文化センター様のSNSから拝借しました)
*もうね、当たり前なんだけどアンサンブルの妙。ネマニャが中心で明らかに指揮振りしている場面もあったけど、息がぴったり合っていて「同一人物が分身の術で演奏してるんかい!」と突っ込みたくなるほど。
*加えて会場とのマッチング。なにせ大編成ではないので微弱な音量の部分も多いが、会場が大きすぎない(そして近い)のでピアニッシシシシモの音でもしっかり聞き取れる。
そして、弱い音なのに迫力がある。これも冒頭の「ブランデンブルク~」を聞いた時と同じ感触だった。
*今回初めて訪れた会場は敷地内にいくつかあるホールのうち、アークホールと呼ばれるもの。会場後ろからステージに向かって撮影したが、奥へ細長く(幅が比較的狭い)、高低差はあまりない。よって会場後方に座るとステージが遠いが、2階席・3階席は(席数は少ないものの)ステージ後方へ回り込んでいるため、パイプオルガンの真下まで観客席になっていた。
*で、自分が座った席は2階席のステージ脇。もう、演者が近くて譜面まで見える距離。隣に座った女性は地元の方のようで、このかぶりつき席がお気に入りとのこと。演者の息遣いまで聞こえます。そして椅子の造作も素敵。
*チェンバロ(ハープシコード)はどっから調達したのかな。現代のピアノよりも芸術的価値が高いのがチェンバロで、小鳥やら亀(!)やら兎やらが描かれていました。そういえば2018年に鑑賞したチェンバロ独奏会ではさらに美しい楽器を堪能したっけ。
*今回の座席の良いところ。演者の楽譜が見える。そして楽譜の取り扱いが個人で随分違うこと。例えばダブルベース奏者のBoban Stosic 氏は完全「紙楽譜」主義。曲の進行に合わせて自ら譜面をめくるわけだが、時々紙を取り落としそうになって(そんな時に限って激しいパート演奏中だったりして・・・)慌てていた。
かたや、(比較的若いと思われる)鍵盤奏者のStephanie Fontanarosa は完全電子楽譜主義。だから、入退場の時に持ち歩くのはタブレットとブルートゥース「楽譜めくりペダル」のみ。ペダルは小さいから目立たないし、そもそも楽器は持ち歩けないので歩き姿がスマートだった。
*アンコールではROOTSアルバムからの日本曲を演奏。ヴァイオリンをギターピック(のようなもの)で弾き、「三味線感」を出していた。また、チャールダーシュのオリジナル編曲も素晴らしかった。ゆっくり弾き始めて時間をかけて高速化していくのが通例だが、アンコール用の編曲だろうか?わずか数秒で早引きモードへ移行して怒涛の如く聞かせるパターン。有無を言わさず圧巻だ。
*演奏とは別に今回訪れた所沢市民文化センターは様々なコンサートを行っている。有名どころもくるし、駅からのアクセスも良いし、こりゃ地元民にはありがたい存在です。気になる興行がありましたので画像を。N響と小山実稚恵のピアノと広上さんの指揮。鉄板ですな。
*ネマニャとドゥーブルサンスのメンバーのお人柄。ネマニャ本人の笑顔やしゃべり方(このヒト、結構コンサートの時しゃべる)、メンバーとの信頼感が厚いように見える息の合った演奏、こいつはコンサート会場でないとなかなか味わえない。特に東日本大震災直前に来日公演をしていた彼らはフランスへ帰国後災害のニュースを聞き「日本の春」を作曲してもらったが、演奏する前にネマニャが話す英語もヨーロッパ人らしく分かりやすく温かみのこもったものだった。とにかく、オーラだしまくり。
*右足をけがして、座ったままの演奏だったがそんなハンデはみじんも感じさせず、むしろ座りながらでも存在感半端なかった。ま、9月にも来日予定なので、その時はステージ上を動き回る姿が見れるかな?
*おまけ。ネマニャに曲提供したり編曲も行う Aleksandar Sedlar はギターも弾くし歌も歌う。なかなか器用な人のようで、同世代の音楽仲間という感じ。彼が指揮をしている動画を見つけたので貼っておく。
コンサート関連が長くなってしまった。種を明かせば我孫子で昨年12月まで営業していた「path」が場所を移してオープン。
この建物の1階、右半分(いや4割かな)だけというこじんまりスペース。
奥に調理場がある。
新井薬師前駅からぶらぶら歩いて10分弱、大通りまではいかないけど超狭い道路ではないそこそこ人通りの多そうな場所。
店内に入ると、店員さんが「あ~!」とすぐに気づいて下さり「我孫子からきました~♪」とご挨拶。覚えていてくれてうれしいです。
この日はたまたまお客さんが少なくて沢山話すことが出来てラッキーだった。
聞けば昨日はお客さんでごった返していたようで、まだ開店して1.5カ月だからなのか、客数が安定していないのかな?
お店の雰囲気は以前の店舗とやはり似ていて、シンプルで素朴。
いい感じです。
あ!
レジはバージョンアップしていたのでビックリ。
ただ、支払いは相変わらず信用性最大の現金払い。
しかし、各種電子決済にも対応しなきゃいけないかな~と悩んでいらっしゃいました。
今どきは現金持ち歩かない人も増えてるからな~。
そして最新レジから打ち出されたレシートはちゃんとキュートなお店のロゴと住所が。
加えてパンの名称も印刷されるので、帰ってから「これ何のパンだっけ?」というのがなくなった!
あ、オーブンは我孫子にあったものを輸送したそうで、クロワッサンの焼き上がり加減も変わりなく、懐かしいおいしさを堪能しました。
今回初めて食べたシーズンメニューのタンカンピールを練りこんだチーズパンもおいしかったな~。
テイクアウト含む外食では、我が家はコスパ重視なのだけど、このお店だけは別格。少しお高いけど満足感は満点。調子に乗って(そして頻繁に来れないので)沢山買っちゃいました。
電車移動のなか、スマホみて肩凝るよりも読書の方が楽しいなぁと思い、少し前に再読を始めた「
リーシーの物語」を読む。
あれ~?
冒頭100ページは旦那が襲撃されてその後亡くなり、回想メインのストーリーなのにこんなに泣ける展開だったんか!
おかげで電車の中でちょっとだけ困ったのだが、それでも面白くてグイグイ読ませる
キング節炸裂。
この日だけでおよそ80ページ読了。
ちょうどリーシーの旦那の遺作を狙う狂人が登場したくだりで自宅についたので、新しい展開を楽しめる♪
この作品の面白さを伝えるのは至難の業だけど、とにかく面白い。
というか、10年以上夫婦生活を送った人なら「あ~、そういうのあるよね~」と納得してしまうこと間違いなし。
キングが自著で最も好きという作品、ぜひお試しあれ。
カバーを取った状態。
これなら電車内で読んでいても何の本か、バレない。
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コメント
ネマニャ・ヴィディッチさんの四季の演奏、容姿から想像するとアグレッシブだったのかな?と想像しています。好きな曲なので気になってます。
小星さん、中野方面に出向いた時には行ってみたいと思います。
パンが好きなので気になってます。
bunaibu
2023/04/24 20:06 URL 編集 返信ネマニャの姓は難しいですよ。
ラドゥロヴィチですから。セルビア出身、フランス在住なので(?)発音難しい名前ですね。
なんかよく分からない「点」もついているし(ドイツ語ではウムラウト)。
私自身ヴィヴァルディは初めてライブで聞いたのですが、最高に素晴らしい演奏でした。
9月の東京都交響楽団の公演も時間があればぜひ!
と、いってもすでに5階席の後ろの方しか空いていないようですが・・・(自分は3階席)。
あとは「小星」ですね。
中野の駅からは若干離れていますが、オススメです。
あ、大きな店ではないので売り切れ注意です♪
103
2023/04/25 12:17 URL 編集 返信9月の演奏会の空席が少ないとは、すごい人気なんですね。
小星さん、住所記載のレシートを掲載いただいたのでナビを頼りに行けそうです。
先ずはクロワッサンを狙って(^^♪
bunaibu
2023/04/25 20:09 URL 編集 返信カタカナの名前はなかなか覚えられませんからね~。
漢字の名前なら目にすれば「意味」も入ってくるので印象に残りやすいのですが。
小星は小さなお店なので見逃さないように注意してください♪
青い建物が目印です。
クロワッサン堪能してください。
103
2023/04/29 11:31 URL 編集 返信