松戸シティフィルハーモニー管弦楽団の第44回定期演奏会を観てきました。曲も作曲者も初めて知ったハンス・ロットは思わぬ伏兵でした。

2022年9月25日㈰、お馴染みの松戸シティフィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会があると聞きつけ、カミさんと2人で楽しんできました。

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記録のために曲目他を掲載します。

1.ヨハネス・ブラームス
  悲劇的序曲 作品81

2.リヒャルト・ワーグナー
  歌劇「タンホイザー」序曲

  交響曲第1番 ホ長調
   第1楽章 アラ・ブレーヴェ Alla breve
   第2楽章 とてもゆっくりと Sehr langsam
   第3楽章 快活にいきいきと Frish und lebhaft
   第4楽章 とてもゆっくりと~活気をもって Sehr langsam - Belebt

指揮 松沼俊彦
管弦楽 松戸シティフィルハーモニー管弦楽団



さて、前回同楽団の定演に行ったのは2020年の12月。
すっかりご無沙汰してしまいました。
ま、相も変わらずCOVID-19がはびこっているので、プログラムは各自で取るスタイル。
良くあるご近所の楽団がチラシを挟み込む・・・というのもほぼ自粛状態。
おまけに終演後の楽団員との歓談や贈り物の受付もナシ。
という寂しい状態ではありますが、とにもかくにも『一期一会の演奏をその場で聴くことのできる』喜びを目いっぱい味わうことが出来た。

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ところで、毎回松戸シティフィルハーモニー管弦楽団の演奏会ではプログラムにある解説を楽しみにしています。
今回はバスーンのN氏による曲目解説。
いやー、これが面白かった。
開場から開演までの時間、解説を読んでいたためにあっという間に過ぎてしまった。
これだけ読みごたえがあると、もう少し時間が欲しいくらい。

このテの解説で良くあるのは「演奏者目線での解説」。
もちろん我々オーディエンスにとって、演奏するうえでの苦労や練習の際の工夫などもトピックスとして楽しいのだが、N氏の解説は、曲そのものや作曲者の人となりが分かるものだったためより作品の背景を考えながら楽しむことが出来た。

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毎度〇〇の一つ覚えのようで申し訳ないが、キング作品における「脇役でさえ生い立ちや考え方に関する描写をこれでもか、とばかりに細かく記述することにより登場人物を深く理解することが出来る」手法に似ているのだ。

そんなわけで個人的には「もしかしてN氏はキングファンだったりもするんじゃね?」などと邪推しながら読むのも楽しいひと時だった。



今回、いつもと違うコトがあった。
恐らく本公演の後援をしている松戸市教育委員会から、委員長の挨拶があった。
長かった自粛ムード後の公演ということでなのか、な?
挨拶の内容もそうだったし、その中で「ゴリラが音楽を楽しむ」話をあげて、やはり人々が人間らしく生きるためには文化的なコトが大切だ、みたいな内容だった。
そりゃそうだ。
音楽が聴けなくなって本を取り上げられたら人生の愉しみ75%なくなるようなもんだ。
そんなことを考えながら演奏会に突入。



まずはブラームスの悲劇的序曲。
予習しておきましたが、思ったよりも激しい演奏でびっくり。
加えて指揮者の松沼氏のバイタリティーの凄さ。
思わずさっきのゴリラ話しを思い出しちゃうほど、ダイナミックで激しいパフォーマンスでした。
10分ちょっとの曲なので(今回のプログラムには演奏時間が記されていた。コレ、良い)、すぐに次の曲の演奏です。
松沼氏は肩で息をしていましたが(笑)。

ワーグナーのタンホイザー序曲。
ワーグナーらしいスケールの大きい曲。
冒頭からホルンをはじめとするラッパが大活躍。
解説にあった哲学者ニーチェとのエピソード。なんとなくどちらも「クセ」のある人物のような気がしているが、このころの文化人は異なる文化でも交流していたイメージがある。
ベートーベンがシラーの詩をもとに歓喜の歌を創作したように。
曲のテンポはゆったりだったにもかかわらず、松沼氏はさらに汗をおかきになられていたようですよ(笑)。

15分の休憩をはさんで、ハンス・ロットの交響曲第1番。
解説にもあるように、多くの人が名前さえ知らない作曲家。
その人生は悲劇的であまりにも短い。

この日の作曲家は全て同時代の(ジェネレーションギャップあるだろうが)人。
つまり同じ時代に存命していたが、ロットの知名度が低いのは短命だったからであるが、彼の学友であったマーラーが、ロット逝去の年に交響曲を書き始め、大作曲家へと上り詰めたことは印象に強く残る。
もちろん、曲目解説を読んで初めて知ったことばかりだが。

この第1番は耳なじみの良いフレーズが繰り返され、たびたび出てくるにも関わらず飽きずに聴くことができる。聞かせ方を変えている作曲者の技によるものだと思う。
ややもすれば飽きてしまう「同一のテーマの繰り返し」だが、第4楽章まで楽しめた。

そして、ロットの曲をネットだ探してみると多くないながらも存在している。
他の曲も悪くない(まだそれほど聞きこんでいないが)。
願わくば、他の演奏会でも聞いてみたいものだ。
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コメント

コメント(2)
なつかしい
103さん、こんばんは。

「森のホール21」なつかしいです。
初めて案内していただいてから、そろそろ10年ぐらい経つでしょうか。
103さんも2年振りなんですね。

私は来週、地元の戸田響の定期演奏会に行く予定です。
補聴器を着けての初鑑賞となります。
今までの使用感では、あまり期待はしていないのですが〇△✕どうなることやら。

bunaibu

2022/10/10 20:10 URL 編集 返信
なつかしいですね。そんなに経つんですね・・・
bunaibuさん、コメントクありがとうございます。

森のホールに行ったのはそんなに前になるんですね。
今頃の季節は樹木の中を散策するのは楽しいですよ。
散歩してからコンサートでも良かったな~と、今更ながら考えています。

初補聴器でのコンサート鑑賞、楽しみですね。
ハイグレードオーディオのようにはいかないかもしれませんが、やはり音楽はナマ!
耳だけでなく身体でも感じて楽しんできてください!

103

2022/10/11 10:36 URL 編集 返信
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aquavit103

Author:aquavit103
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丙午生まれの♂。
40歳から始めた自転車に乗り、20歳で出会ったRIOTというバンドを愛し、14歳から読んでいるスティーブン・キングの本を読むことを至上の喜びとしています。